『凌辱5』「下着をこんなにして・・・着替えないでしょう?」
口づけをかわしながら、私は再び乳房に手を這わせていた。
「は、恥ずかしいです・・・」
光沢をたたえた黒髪がサラサラと波打ち、性感でとろんと垂れた目元が、ほんのりと朱色に染まっている。
そういえば、いつの間にか、西日が部屋を薄赤く染めるころになっていた。日没も近いようだ。
「手がしびれていませんか? 外しましょうね」
ベッドに寝そべったままの彼女に優しく語りかけてから、上体を起こしてやる。
「お腹が空きました。何か食べに行きましょうか?」
彼女は意表をつかれたといった表情で、放心したように私を見つめた。
カチャリ・・・カチャリ・・・
私の縛めから、彼女はようやく解放された。
だというのに、美智子は身づくろいもせず、肩を震わせてシクシクとすすりあげ始めた。
解き放たれた安堵なのか、私と情事を結んだ悦びなのか、にわかには解らなかった。
まさか、凌辱されて悲しみに塞いでいるわけではあるまい。それでも、私は不安になって話しかけた。
「どうしたの?」
そっと肩を抱き寄せて、顔を覗きこもうとする。だが、イヤイヤをしながら、彼女は私から逃れようとする。
「ほら、こっちを向いてごらん」
美智子を向き直らせて、もう一度、静かに語りかけてみる。
「どうして泣いているの?」
顎に手をかけ、指先で涙を拭ってあげながら、彼女が話しだすまで待とうと思った。
「やっぱり・・・」
一度、口を開きかけたが、美智子はすぐに黙ってしまう。涙が止まらないのだ。胸元の乱れを直しながら、必死に涙を堪えようとする姿が健気だった。
「やっぱり?」
ティッシュの箱を美智子の傍らに置いてから、先を促してみる。
「やっぱり私・・・気に入っていただけなかったんですね」
そう言って、美智子はポロポロっと大粒の涙をこぼした。
「まさか! どうして、そう思うの?」
驚いて、また質問してしまう。
「いいんです・・・私、こういうの慣れているから」
美智子はティッシュで鼻を覆いながら言った。懸命に明るさを装った声だった。
その言葉を聞いて、私は自分の迂闊(うかつ)さにようやく気づいていた。
行為を中断して唐突に食事に誘うとは、なんと愚かしいことをしたものだろう。絶頂に導くわけでなく、セックスに及ぶわけでもない。私に幻滅されたと、彼女が誤解するのも無理からぬことだった。
「そうじゃないですよ。あなたは、すごく可愛らしいです」
真っ直ぐに美智子の顔を見据え、髪をなでつけてあげる。
本当に可愛らしかった。桜貝のように透き通ったまぶたの縁で、濡れたまつ毛が震えている。
おもむろに手錠から解放された彼女の手を取り、自らの股間に導いた。美智子が反射的に手を引く。
しかし、私は無言のまま自分の手を彼女の手に重ねて、ズボンの上に押しつける。
「どうです? 硬いでしょう?」
「・・・は、はい」
美智子は瞳に涙を浮かべ、薄く開いた唇から小声で返事をする。気持ちが高ぶりすぎて、思うように声がでない様子だった。
その初々しい反応で、私のモノはさらに硬さを増していく。ベルトを外し、ファスナーを下ろすと、ブリーフの上から彼女の手に握らせた。
「ほらね、私も濡れているでしょう?」
肉傘の窪みから噴きだした先走りで、ブリーフに染みが拡がっていた。
彼女は答えるかわりに、男根を握りしめたままで、こくんと頷いて見せる。
「あなたが可愛いから、ずっとこんなにふうだったのですよ」
勃起が灼けつくように熱かった。柔らかな指の中で肉棒がメリメリと体積を増し、亀頭がパンパンに膨れあがっていく。
「私・・・どうしたらいいですか?」
おどおどと落ち着かなげに、彼女が聞いてくる。
こんなに硬くなった物を、どう慰めればいいのか教えてください、といった意味のようだった。
「どうもしなくていいのですよ。逢ったその日に、しかも、こんな短い時間で、何もかもしちゃうなんて、もったいないでしょう」
私は愛しさを募らせ、美智子の唇に唇を重ねた。
「ん・・・んん・・・」
プリプリとした唇を吸いあげると、彼女が鼻の奥で可愛らしくあえぐ。
「また逢いましょう。その時、今日の続きをすることにして・・・だから、何か食べに行きませんか?」
そう言って微笑みかけ、美智子の手を解放してあげる。
いつしか部屋には、薄闇が訪れていた。
二人で夜の街へと繰りだす。
偶然見つけたスイス料理の店に飛びこんだ。高層ビルの最上階にあるレストランである。
「スイス料理、食べたことあります?」
「いえ・・・初めて」
「そっか。私も初めてです」
すっかり打ち解けた雰囲気で、二人は二人の出逢いに祝杯をあげた。
(『凌辱』END、新章につづく)
※体験を基に描いていますが、一部フィクションが含まれています。
- 関連記事
-
みぃさまの為に。。というか。智さまの
歓びのためでしょうか?
新たな企画を準備されていると。。
楽しみは尽きないものですね。
次々と頭の浮かぶ妄想を現実のすること。
私も同じですが。体力の時代より。
もっと。刺激的な楽しみなのかもしれません。
女は灰になるまで。男はボケるまで。かな?