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妄想と欲望のはざまで11

『陥穽(かんせい)1』

陥穽01

「まだ贈り物があるんです。また目を閉じてもらえますか」
私は、みぃが全てに従うだろうことを確信して言った。

「君に似合うだろうと思ってね。もう一つ、アクセサリーを用意したんですよ」
彼女の火照った表情には、媚びをはらんだ従順な笑みが張り付いている。

本当に可愛らしいと思った。
そんな彼女を見ていると、私の嗜虐心はどす黒い鉛玉と化して膨らみ続ける。ブリーフの中で硬化したペニスのように。

「さあ」
私が鏡越しに促すと、彼女が再び瞳を閉じた。

一度、目をつぶって良いことがあったなら、二度目は疑うことなく簡単に目を閉じる。それが人間の習性だ。
しかし、どこかに陥穽(落とし穴)が掘られていないとも限らない。疑ってかかるべきなのだ。

再度、瞳を閉じた瞬間、すでに美智子は罠にかかった美しい蝶であった。巧妙に張りめぐらされたクモの糸に羽をからめ取られ、逃げ出すことはできなくなっている。

ところが、彼女はそんなことには全く気が付いていない。
鏡の中で微笑む、初心な人妻だ。
私は旅行カバンから、音をたてないよう注意深く、用意してきた贈り物を取り出した。

suitcase001.jpg

「まだ、目はつぶったままでいてくださいね。今度は手を後ろに差し出して」
私に背を向けたまま、彼女の両手が後方に差し出される。
思ったとおり、言いなりである。

急にひんやりと冷たい感触を手首に感じたのか、美智子は肩をすぼめて手を引こうとする。
「じっとしていて。まだ目を開けてはダメですからね」
念を押すように、耳元でささやきかける。

カチャリ・・・
金属の乾いた音がかすかに響き、美智子がビクンと身体を弾ませる。

カチャリッ!
再び金属音が鼓膜を震わせた瞬間に、彼女はハッとして瞳を開けていた。

自らの身に何が起きているのか、とっさに理解できなかったのだろう。彼女は鏡に写った自分の姿を見つめて、ただただ呆然としている。

「この贈り物も、きっと気に入ってくださるはずです」
私はこみあげてくる興奮に声を震わせながら、独りごとでも言うように静かに語りかけた。

手錠001

その時、彼女の両手は金属の手錠でつながれ、身体の自由を失っていたのだった。

(つづく)

※体験を基に描いていますが、一部フィクションが含まれています。
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新たな。。
智さま。みぃさま

新たな展開へですね。
私も私事で。いろいろとありまして
仕事も一段落はしたのですが。。

その内にご報告致しますので。

では。
[ 2014/04/08 10:10 ] [ 編集 ]
こんにちは
Ken様

コメントありがとうございます。
新たな展開といえば、そうでしょうかね。
私も私事ふくめて何かと忙しくしており
ご連絡が取れず、失礼いたしております。

この先の展開も楽しみにしていただけると幸いです。
また、動画の続きも週末に間に合わせて編集、公開の予定です。
[ 2014/04/08 15:27 ] [ 編集 ]
陥穽
智 様

こんばんは
陥穽とのテーマ、また違う意味でドキドキしてしまいました。
騙されるのかと…。
こっちもドキドキですね。
身体に触れる前に、拘束されてしまうなんてみぃ様はさぞビックリしたでしょうね。
でも、嫌ではなかったでしょうね。
[ 2014/04/08 19:54 ] [ 編集 ]
サプライズ
なほこ様

こんばんは。
コメントありがとうございます。

そもそも私たちの関係は、欲望ありきの恋愛。
いや、逆もまた真なりですが・・・
どちらにしろ、互いの妄想を実現させるために二人は出逢い、惹かれ合ったのです。

なので「サプライズ!」ですw

二人の関係を象徴するものは
手錠・・・首輪・・・
そして、第三の男たち・・・

どうか、この先もお読みくださいませ。
[ 2014/04/09 00:38 ] [ 編集 ]
さすがです
智さん、みーさんへ


いま、ここで執り行われている儀式

そんな、臨場感

さすが、文学青年です


敬称が様ではなくさん付けなことお許し下さい

智さんと書いていても「智さん&みーさん」へと私の脳内ではなっております
わたくしの放つ「智さん」の言葉全てみーさんがご覧になられて当然と思っております

あー、ドキドキする(*^_^*)
楽しみ♪

私はS性もあるので、智さん側にたってしまいます
みーさんから、女子力学びます

続けき楽しみにしております
よろしくお願いします(_ _)



M見習いS
[ 2014/04/09 09:54 ] [ 編集 ]
SとM
M見習いS様

ご感想ありがとうございます。
私とみぃの敬称に関しましては「くん」でも「ちゃん」でも
一向に構いませんので。
私も「M見習いSさん」とお呼びすべきなのでしょうが
ブログコメントのスタンスとして、敬称は「様」で
統一させていただきとうございます。ご容赦を。

誰にでもS性とM性が混在していて、
その比率は、相手との関係で変わるものなのでしょうね。
M見習いS様にあるM性は主様に向けられ、
みぃに対してはS性を刺激される。
そういった場合も、当然あるかと思います。

余談になりますが・・・
最初に「M見習いS」というブログタイトルを拝見したとき
「M見習い」のS様(名前)なのか、
M様(名前)が「見習いS」なのか、
失礼ながら迷いまして。

主様より頂いたブログ・タイトルというのは判ったのですが、「M見習い」の「S様」・・・
つまり、Sはお名前ということで良いのでしょうか?^^;

S性があると書かれているので、元はサディストだったけど
今は「マゾヒスト見習い」って意味なのかと、自信がなくなりました。
すいません^^;

これからも、続きをお読みいただけると幸いです。
[ 2014/04/09 15:45 ] [ 編集 ]
余談です
私という人間はとても生意気で、対等でいたいという意識が働いてしまいます

私は女という存在が好きなのでしょうね
そう、乱歩の作品に出来てくるような女が
今の女性たちでは間違いなくありません

私は全く性欲を伴わない
ただの傍観者

時々、片側の口角だけ上げて笑う傍観者
そのような存在


私の平素はS性が強いように思います
主と出会って、M性が蠢き
さらにS性が嬉々と現れてきています

さてさて、Mはマソビスト、Sは名前
と単純に受け取っていただいて正解です

主がブログ用に付けて下さったのがこの名前です
もう、見習いではないそうです

この名前は面白くて、私を深く表現しております
間違いなく、サディストの私も意味合いに含まれております

自分では最近までS性は意識したことが無いので。。。
主は最初から私S性にお気付きだったから


昨年、何気に「気合いを入れたらちん○(失礼)生えてきそうな気がする」
と、周りに話をしたら納得されてしまいました
「生えてきそう」と言われました
自分でもそんな気が本当にした

中身が性欲の無い職人のおじさんな部分があるので自分の女性性に抵抗しているようです

私事で長々とすみません(_ _)
[ 2014/04/10 00:11 ] [ 編集 ]
アンビバレント
M見習いS様

それにしても・・・
人間というものはアンビバレントな生き物ですね。

サディスティックな性向がありながら、
一方でマゾヒストに憧憬を抱き・・・
乱歩の小説に出てくる女性に心を寄せながら、
「性欲の無い職人のおじさん」の部分を持ち合わせる。

「時々、片側の口角だけ上げて笑う傍観者」
といった側面も、誰しも持っている感覚にも思えます。
常に当事者たりえるものではないし、第一疲れます。
自己主張するのが必要な場合もあれば、
謙虚に、あるいは謙虚なふりをして、見ている側に回る。
それって、狡猾というよりは自制とか処世でしょうから。

これまた余談ですが・・・
「生まれ変われるとしたら、男と女どっち?」
みたいな質問に、私は決まって「女性!」と即答します。
男の性をこれだけ長く生きてきたのだから、
次は女性として、全く違う生を送りたいと思うからです。

気合を入れると、ちん○が生えてくる前に
うん○が出てしまう(失礼)
現実ってツマラナイですねw
[ 2014/04/10 12:56 ] [ 編集 ]
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