『密会2』みぃは、実年齢より、かなり若やいで見えた。
幾分せまい額のすぐ下に、つぶらな瞳が、恥じらいを含んで濡れている。肉厚なまぶたと丸顔のせいで、あどけない少女のような印象を私は受けていた。
「ご一緒してよろしいでしょうか?」
「あ、はい・・・どうぞ・・・」
二人は緊張のために、たどたどしく挨拶を交わす。
やっと出逢えた感動で、私の声は心なしか震えを帯びてしまっていた。
私はとあるお店で、30分だけ、あなたをお待ち申し上げております。
もちろん、選択肢はあなたにあります。
私を見つけて、制限された時間を共有されても構いません。
見つけても、声をかけずに私を見守っていてもよいのです。
30分経ったなら、私は席を離れるでしょう。その瞬間「こんにちは・・・そして、さようなら」と一言いって頂いてもよいのです。また、当然、来店されなくても構いません。
(みぃのメール抜粋) 「すぐに貴女だと判りましたよ」
「はい・・・」
向かいの席に腰掛けて呼吸を整えながら、なんとか会話をつなぐ。だが、それからの数分、一体なにを話していたのか、私の記憶からは一切が抜け落ちている。
おそらく、ぎこちない会話が続いていたのであろう。
それでも、時の経過が私に落ち着きを取り戻させ、二人の会話もなめらかに噛み合いはじめる。
まるで十年来の知己のように、は言い過ぎかもしれない。
だが、ネットではそれなりに会話を重ねてきた間柄である。
「本当に全身、黒いお洋服なのですね」
「はい、お約束通り。智さんも黒がお似合いです」
「ぼくにとっても、黒は普段から着慣れた色でね」
そんな会話を交わすうち、次第に彼女を観察する余裕さえ、私には生まれてきていた。
鼻や口は小ぶりでおとなしい。
薄っすらと開いた唇は、ぽってりと膨らみ、鮮やかに熟したイチゴを思わせる。口にふくんだ瞬間に、とけてなくなってしまう可憐な果実のように、甘く柔らかそうである。
「ずっと想い描いてきた貴女より、実物の貴女のほうが素敵で良かった」
私が褒めると、彼女は自信がなさそうな、当惑したような表情で相づちを打つ。時々、眉根を切なげに寄せ、はにかんだように笑みを浮べながら。
ほんの束の間の会話で、私はあることに気づいていた。
いや、ある種の性的嗜好を持った男性なら、一目で美智子の資質を見抜いてしまうかもしれない。
彼女は絶えず「虐めて欲しい」というフェロモンを、困ったような童顔と豊満すぎる肉体から発していると。
虐めたいと思った。虐めたくて、たまらなかった。
(つづく)
※体験を基に描いていますが、一部フィクションが含まれています。
- 関連記事
-
智 様
ようやくPCから拝読する事ができそうました。
更新の時間を教えて下さりありがとうございます。
みぃ様はお写真からも少女のような雰囲気が伝わります。
そして肌も綺麗でモチモチしていそうですね。
羨ましいです。^^
股縄のお写真が一番好きです。^^