ふたりが交際を始めたころ。
私が初めて見せてもらった彼女の写真は、学生時代に撮影されたものだった。
「写真嫌いなので、あまり写真がないんです」と彼女。
「どうして嫌いなの?」
「撮るのは好きだけど撮られるのは嫌いなんです。自分に自信がないから」
みぃはそう言っていたっけ。
そうだからして当初、彼女に彼女自身の写真を撮影してもらうのは至難のワザだった。
私たちは遠距離恋愛。しかも不倫の関係にある。
頻繁に逢って、堂々と二人で記念撮影をするような間柄ではない。けれど、彼女の姿は視たい。できることなら、彼女の淫靡な姿を、熟れきった肢体を、画像で視たいと私は切に思っていた。
「私のためにセルフで撮影して見せてくれないかな」
なだめすかすようにして私が説得をすると、みぃは渋々ながら撮影してくれるようになった。
といっても、かなり抵抗があるようで、始めのころは表情やポーズも堅く、肌の露出も控え目だったように思う。
当時は、素人が撮影し投稿した卑猥な写真を掲載する雑誌がたくさん残っていた。
それが徐々にネットに波及し、逆にネットでの投稿が主流となりはじめた時代である。
そもそも、私の欲望には歪んだものがある。彼女を独占するのでなく、他の男性に貸し出してみたい。そんな変態な私にとって、ネットの投稿サイトは、ある意味、おあつらえ向きな媒体であった。
貸し出しは、そう容易なことではない。
けれど、彼女の裸体をネットに晒すというのは、貸し出しの「代替行為」のようなもの。
つまり、彼女を他の人と共有している感覚を、手軽に味わえるというわけだ。
他の男性に抱かれる姿を、私に視て欲しいという願望が彼女にもあったからこそ、私たちは意気投合した。
であるから、写真の投稿を彼女は肯定的にとらえてくれるだろう・・・そう私は考えたが、さにあらず。
自信がないといって、撮影すら渋々している彼女が、写真をネット公開するなど、もってのほか、というわけである。
けれど、私は躍起になって説得を試みる。
素人投稿サイトでの画像投稿が、二人の関係を深化させてくれるだろう。それは紛うことなき私の本心だった。
また、自信がないという彼女に、自信を付けさせるためにも、画像投稿が有益なのは間違いなかった。
私の熱意にほだされる形で、彼女は投稿を承諾してくれた。
ほどなくして、彼女の画像が、ネット上でお披露目される。
悪意ある反響に戦々恐々となる彼女。それとは対照的に、ワクワク感に支配され、下卑た言い方をすれば「俺の女を見てくれ!」的に盛り上がる変態な私。
投稿先は、当時、最も有名で繁栄を極めていた素人投稿サイトのひとつであった。投稿数は膨大で、画像が更新される速度、頻度もめまぐるしい。
ネガティヴな反響を気にするどころか、一切の反響がないままスルーされる可能性すらある。
しかし、彼女の心配は全くの杞憂に終わる。
日に日に、投稿した画像に寄せられる称賛のコメントが膨れ上がっていく。私にしてみれば、してやったりである。
私の貸し出し願望が満たされると同時に、彼女が自信を持ち、今まで以上にセルフ撮影に身を入れてくれたなら言うことはないからだ。
- 関連記事
-
こんにちは
“想い出シリーズ”
私はこのシリーズが大好きです。
智様が綴るエントリーはみぃ様への愛で溢れています。
そしてお二人がどのように、どれだけ 愛 を深めていったのかが見えるからです。
激しく愛し合い、でも普通ではない愛し方。
それだけに深い愛に包まれて、蕾だったみぃ様は智様の愛のシャワーで花を咲かせていくのでしょう。